ウッドデッキ用木材「ウリン材」は抜群の耐久性!おすすめな理由
東南アジア産の天然木・ウリンは、エクステリア材として注目されています。
近ごろ木工DIYで、庭のガーデン家具やウッドデッキなどにウリンを取り入れるのが人気だからです。
人工木材ではなく、天然木材にはやはり素材感に魅力があります。
ウッドデッキは家族と過ごす大切な時間や、自分ひとりで一息つくプライベートな時間を楽しむ為のスペースですから、愛着ある場所にするためにも長く使える木材を選びたいですよね。
- ウリンの特徴は?
- ウリンのメリット・デメリットは?
- ウリンは本当にウッドデッキに向いているの?
などと疑問をお持ちかもしれません。
ウリンはその耐久性のよさから、自然環境の過酷な屋外でよく使用されています。
ですから、耐久性を求められるウッドデッキやフェンス用の木材にも最適です。
この記事では、ウリンのメリットやデメリット、注意点などについてわかりやすく解説しています。特徴がわかればウッドデッキ作りにも安心して取り組めるので、ぜひお読みください。
INDEX
100年耐えるアイアンウッド「ウリン」は絶滅危惧種?特徴を確認
天然木ウリンはどんな特徴を持っている木材なのか確認してみましょう。
ウリンの概要
ウリンはクスノキ科の常緑広葉樹です。常緑広葉樹とは葉が平たく広がっていて、四季を通じて葉を落とさない樹木のことです。
インドネシア・マレーシアなどのボルネオ島周辺に分布していて、東南アジアの現地では資源量に対して需要が多くあるので、伐採が進み絶滅危惧種に指定されています。
ウリン(マレーシアではビリアン)は別名「100年耐える木」「アイアンウッド=鉄の木」とも言われます。それほど強度が高く、腐らない木だからです。
その耐久性のよさから、インドネシアでは波止場や海の杭・桟橋・民家の屋根などに広く使われてきました。
ウリンの色が赤褐色なのは、ポリフェノールが大量に含まれているからです。ポリフェノールは虫の消化を阻害し、更に成長を抑える作用もあるため、ウリンは防虫効果が高いのです。
ポリフェノールの特質で太陽光のもとで色が酸化すると、赤黒い色が経年でシルバーグレーに変化していきます。
手触りは硬くなめらかで、非常に重いのが特徴です。
ウリンの基本スペックと他木材との比較
樹種 | ||||||
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ウリン | スギ | ヒノキ | イタウバ | セランガンバツ | ||
基本情報 | 名称 | ウリン、 ジャイアントウッド、 マレーシアンアイアンウッド、 ビリオンウッド、 ブリネイラ |
杉、椙 | 檜、桧 | イタウバ、 タブボア、 イタバイバ、 イタウーバ、 ガスカハ、 トロピカル・ウォールナット |
セランガンバツ、 イエローバラウ、 バンキライ |
分類 | クスノキ科 | スギ科 スギ属 |
ヒノキ科 ヒノキ属 |
クスノキ科 | フタバガキ科 | |
分布 | インドネシア、 マレーシア |
本州、 九州、 四国、 北海道函館が北限 |
福島県以南の本州、 四国、 九州 |
中南米 | インドネシア、 マレーシア |
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心材の色 | 黄褐色 | 赤褐色 | 淡紅色 | 深い黄色、 茶色、 橙色 |
黄色い褐色、 黄色い赤褐色 |
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辺材の色 | 薄黄色 | 白色 | 白色 | 明るい黄色、 明るい茶色 |
薄い褐色、 薄い赤褐色 |
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物理的性質 | 気乾比重 | 1.04 | 0.38 | 0.44 | 0.85 | 0.94 |
平均収縮率 接線 | 0.44% | 0.25% | 0.23% | 0.33% | 0.20% | |
平均収縮率 放射 | 0.24% | 0.10% | 0.12% | 0.54% | 0.43% | |
熱伝導率(W/mK) | 0.12 | 0.087 | 0.095 | 0.13 | 0.13 | |
機械的性質 | 曲げヤング係数 | 10GPa | 7.4GPa | 8.8GPa | 13GPa | 14.2GPa |
曲げ強さ | 100MPa | 64MPa | 74MPa | 110MPa | 125MPa | |
圧縮強さ | 60MPa | 34MPa | 39MPa | 50MPa | 77MPa | |
せん断強さ | 12MPa | 5.9MPa | 7.4MPa | 12MPa | 12.8MPa |
ウリンのメリットとデメリットを比較
ここではウリンのメリット・デメリットをご説明します。
ウリンのメリット
ウリンはメンテナンスフリーと呼ばれる木材です。そのメリットをみてみましょう。
- 耐水性が高い
- 防菌・防虫性に優れている
- メンテナンスの手間が省ける
ウリンは、東南アジアの海岸などの水際に生えているので、水に強い特徴があります。
インドネシアでは海辺の構造物である桟橋や、常に雨にさらされる屋根などにも使用されています。
現地では「生涯腐らない木」と呼ばれているほどです。
ウリンには、心材にポリフェノールが大量に含まれているため、木材を腐らせる菌にも強いのです。
また、シロアリやフナクイムシなどの虫の防虫効果もあります。
耐久性が高いため、塗料を塗ったり、防腐処理をしたりする必要がありません。防腐剤を使用しなくてもよいので、小さいお子さんやペットを飼っている場合でも安心です。
長い間メンテナンスフリーなので、お手入れの手間をはぶけます。
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ウリンのデメリット
ウリンは強度が高く、耐久性に優れている半面、デメリットもあります。
- 価格が高い
- アクが出やすい
- 硬くて重いので扱いが難しい
ウリンは他のハードウッドのイタウバなどに比べて価格が高い傾向にあります。
その理由は、ウリンは成長が遅く、その分供給されるウリン材の量が少ないためです。
さらに、絶滅危惧種に指定されていて、環境保護などのために伐採が制限されているのも関係します。
ウリンのポリフェノールは、雨や水に濡れると赤黒い樹液(アク)となって、木材から数か月にわたって染み出てしまいます。
駐車場のコンクリートや車、家の塀などがそばにある場合は、アクがつかないか様子をみましょう。洋服や布団なども濡れると汚れる心配があるので注意が必要です。もし汚れてしまった場合は、中性洗剤を使用すれば落ちます。
アイアンウッドと呼ばれるだけに緻密で硬すぎるので、切ったり穴を開けたりの加工が大変です。
加工を頼む場合は、手間賃がかかります。自分で手作りをする場合、たとえばビスを打つときは事前に下穴をあけておく必要があります。
重いので持ち運びにも注意を払いましょう。
35年以上も持つウリンはウッドデッキ用木材に最適
鉄の木とも言われるウリンは耐久性があるので、ウッドデッキを作るには最適な木材です。
ソフトウッドと呼ばれるスギやヒノキは柔らかく、切断しやすい特徴があります。
加工しやすいメリットがありますが、防腐処理をしないと耐久性がありません。
それに比べ、ハードウッド(南米産のイペ、東南アジア産のウリンなど)は、その名のとおり硬く、耐久性があります。耐水性も高いのが特徴で船舶材や海辺のウッドデッキなどにも使用されています。
ウリンは非常に抗菌・防虫性に優れていますので、防腐処理や塗装をしなくても長持ちします。使用状況にもよりますが、耐用年数は35年以上と言われています。反りや曲がり、ねじれも少ない木材です。
ウッドデッキをウリンで作れば、雨水や紫外線にさらされる自然環境の中でも長く使い続けられます。
人工木材と違って、使い込んでいくうちに天然木の風合いが増していくのも魅力の一つです。
安い木材を選ぶと、メンテナンスにお金がかかったり、早めに傷んでしまったりする場合があります。
それに対してウリンはメンテナスフリーで耐久性が高いので、長い目で見るとコストパフォーマンスもよいのではないでしょうか。
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ウリンはウッドデッキ以外にも使われています
耐久性や耐水性に富むウリンは、その特性を活かしてウッドデッキ以外でもさまざまな用途に利用されています。
いくつか施工例をあげます。
公共の場での施工例
ウリンは以下のような公共の場所で使用されています。
- ビーチの桟橋
- 公園の遊歩道
海水や海風・強い日差しにさらされる過酷な環境の海辺で、ウリンは桟橋として使われています。
桟橋は、海の上を人が安全に歩行できるようにしなければなりません。
海辺で生育しているウリンは、水の中でも腐りづらいのです。
耐水性・耐久性を兼ね備えているからこそ、ビーチでの使用に適しています。
老若男女が集い、散歩する公園の遊歩道でも使用されています。
遊歩道は、雨風・紫外線・土ぼこりなどにさらされる場所です。
市民の憩いの場として大勢の人が長く、安心して歩けるようにとウリンが選ばれています。
家庭のエクステリアでの施工例
ウリンは一度作ればメンテナンスフリーなので、家庭でも以下のように使われています。
- ウッドフェンス
- 室外機カバー
- パーゴラ
- ガーデン家具
- 枕木
家の周りや庭にウリンでフェンスを作ると、アルミよりもナチュラルな雰囲気になります。
天然木で温かみのある素材なので、緑や花を飾るのにもうってつけです。
エアコンの室外機がウッドデッキやベランダに設置されると、せっかくのナチュラルで開放的な空間に無機質な存在が邪魔に思えてきます。
美しいウリンのウッドデッキには、同じくウリンでつくられた室外機カバーが似合います。
室外機カバーは空間演出をそろえるというだけではなく、収納をつけたり、上に物が置けるちょっとしたテーブルとして使うこともできます。
柱を立てて上に棚をつけるパーゴラをウリンで作ると、特別な空間ができあがります。
ウッドデッキの上に取りつけて、まわりにツタを絡ませたり、タープやシェードを取りつけて、日陰でバーベキューを楽しんだり。さまざまな楽しみ方ができますね。
ウリンの端材を組み合わせて、ベンチやテーブルなどのガーデン家具を作ることもできます。
ウリンは天然木材ですので、芝生や土・石となじみます。
庭に枕木として寝かせて使うことで、アクセントとなり、ガーデニングが楽しくなるでしょう。
敷き詰めればデッキ風になり、間隔をあければまた違った趣になります。
天然木材のウリンでウッドデッキを作ってみよう
ウリンは高強度で耐久性が高いので、屋外で使用するウッドデッキにすれば、メンテナンスフリーです。
耐久性のもとであるポリフェノールが多いのも、しばらくすれば染み出すこともなくなります。
木の表面が赤褐色や黄褐色からシルバーグレーへと経年変化を楽しむことができ、天然の木材のよさを長く味わえます。
ウリンの特徴をよく把握して、ウッドデッキでくつろげる空間を作ってみてはいかがでしょうか。
DIYでウッドデッキを作ろう!必要な道具・材料や作業工程を解説
前述の通り、ウリンは加工や扱いの難しい部類の木材です。DIYで扱うには相当の経験が必要になる上に、木材自体も高級なので失敗したら大変ですよね?
「mock re:(モックリー)」は100年以上の歴史がある木材防腐加工会社が運営し、幅広い商品を販売しており品質にもサービスにも自信がございます。
ウリンを使用したずっと長持ちするウッドデッキを作りたいのであれば、ぜひ「mock re:(モックリー)」にご相談ください。
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