古来より建材に使われていた「杉」はウッドデッキでも人気
杉は世界中に多くの種類があり、広く分布している樹種ですが、日本の杉は学名「クリプトメリアヤポニカ」という固有種です。
古来より建材に使われてきた国産の杉は、用途範囲が広い万能な木材です。
「法隆寺の五重塔」・「金閣寺」・「京都御所」などの歴史的な建造物に多く利用されており、現代でも建築をはじめ、工芸品や家具、食器の箸にまで使われ私たちの日々の暮らしを支えています。
もちろん個人住宅の建材としても調湿性にも断熱性にも優れているため人気があります。
家を新築するタイミングで、塀やウッドデッキを作られる方も多く、その場合にも家の建材に合わせて杉材を使うと、一体感のある素敵なご自宅になるでしょう。
しかし、多くの木材を使用するウッドデッキを作ろうと考えているのなら、木材の価格は総費用に直結する部分ですから、気になるポイントだと思います。
木材に限らず「国産は値段が高い」という漠然としたイメージがある方も多いのではないでしょうか?
実は、価格の面でも杉は優れており、植樹が盛んで国内の生育量が多いため、在庫量的にも価格的にも入手しやすいのです。
これからウッドデッキを作りたいと考えている方に、杉材の魅力や特徴をお伝えし、素敵な杉のウッドデッキを作っていただけるようにご案内いたします。
INDEX
結論からお伝えするとウッドデッキには「国産の杉」を使ってください
杉は万葉集や古事記にも登場するほど、古来より日本に根付き、建築や家具、食器などの形で生活の中に溶け込んできた、私たち日本人に馴染み深い木材です。
書物に登場するのは西暦711年に記された「古事記」が最も古い記録ですが、当然ながら日本の固有種である国産の「杉」はそれよりはるか昔から日本の地に存在していました。
杉が日本に出現したのはおよそ1万年前頃と言われており、日本の地に数多く繁殖し始めたのがおよそ2000年前頃と言われています。
つまり、国産の杉は2000年間もの間、日本の四季を経験し、日本の気候に適応し、「日本の杉」に進化してきたのです。
日本でウッドデッキを作るなら「国産の杉」
木は生き物です。私たち人間と同じく環境に適応し、次の世代に命をつなぐことで進化してきました。
日本の環境に2000年間かけて適応してきた国産の杉は、木材となってもその性質は変わりません。国産の杉材は日本の気候に適応しているので、日本の雨や風、日光や気温といった日本の風土に適しているのです。
日本の風土に合った国産も木材が、豊富に生育されて国内流通されているのですから、日本国内でウッドデッキを作るのであれば、「国産」の「杉」を木材として使うことは理にかなっています。
カナダで杉のウッドデッキを作るのであれば、カナダ産の杉材(ウエスタンレッドシダー・米杉)をお使いいただくのが良いでしょう。
スウェーデンでウッドデッキを作る場合でも、トルコの場合でもオーストラリアでもアメリカでも、国は違っても同じことがいえます。
つまり、その国の風土で育った杉をウッドデッキ材をお使いいただくということが大切なのです。
ですので、日本でウッドデッキを作るなら「国産の杉」を選ぶことをおすすめいたします。
杉が古来から使われてきた事実とその理由
杉が古くから日本の書物に登場していることをご紹介しましたが、文化の面でも日本人の生活を支えてきました。
まずは杉を使った建築からみてゆきましょう。
■杉が使われている日本の歴史的建築物
- 東大寺大仏殿(奈良県奈良市)
- 金閣寺(京都市北区)
- 清水寺(京都市東山区)
- 日光東照宮(栃木県日光市)
- 伊勢神宮内宮(三重県伊勢市)
- 伏見城(京都市伏見区)
東大寺大仏殿は、奈良時代に建造された世界最大の木造建築物です。
杉を主な建築材料として、また正倉院にも杉が使用されています。
金閣寺は、室町時代に建造された禅宗寺院です。
3層の塔が特徴的で、杉を多く使用しています。
清水寺は、平安時代に創建された寺院です。
本堂や多宝塔(たほうとう)、仁王門などの建造物には、杉が使用されています。
日光東照宮は、江戸時代初期に徳川家康の命で建造された神社です。
神門や拝殿などの建造物には、杉が使用されています。
伊勢神宮内宮は、式年遷宮(しきねんせんぐう)によって建て替えが行われる神社で、全国的にも最も多くの参拝者が訪れる場所です。杉が主な建築材料として使用されています。
伏見城では柱や梁、床材に「天然秋田杉」という秋田の杉が使用されていたとされています。
このように日本の歴史的建造物に数多く使われている杉は、日本の風土になじんでいるという特徴に加えて、杉という樹種自体の性質も優れているために、多くの建築物の建材として使われてきたのです。
杉は、ソフトウッドに分類されるスギ科の常緑針葉樹で、木材としては「軽量」・「加工性が高い」・「耐久性が高い」・「耐震性に優れる」という特性があり、また、風合いが美しいという外観的な特徴もあります。
建築物に近い分野ではインフラ設備にも使われてきました。
■杉が使われている日本のインフラ設備
- 橋
- 水田の堤防
- 船
橋桁や柱、欄干などに使われていました。
水田の周囲の堤防に使われていました。
日本の木造船に多く使用されています。船内の湿気やニオイを防ぐ効果もあるため、古くから愛用されてきました。
水回りのインフラ設備にも使用されていたのは、杉が木材として軽く、曲げやすく、耐水性に優れていたからです。
最後に、生活に密着した道具では、どんなものに杉が使われていたのかを見てみましょう。
■杉が使われている日用品と道具
- 桶、樽、盆
- 箱、棚
- 食器
- 和太鼓
- 和紙のすだれ
- 農機具
桶や樽などの容器、盆などの日用品に多く使用されていました。
箱や棚の材料にも使われていました。
お盆やお椀、茶碗、木製箸、木枠などに使用されます。
特に、椀やお茶碗などの内側には、杉の香りが移りにくいため、食器の材料として重宝されてきました。
和太鼓の胴に杉板が使われていました。
和紙を張ったすだれに杉材が使われていました。
杉材は軽くて扱いやすく、また加工性も良いため農機具にも適していますが、強度が求められる部分には使用されないこともありました。
ご紹介してきましたように、日本の杉は日本人の生活のありとあらゆる所で活用されてきました。
その理由は、日本の風土に合った杉が加工しやすく、使いやすかったことに加えて、室町時代から人工的に植えられてきた歴史があり、安定的に杉が供給されていたことが考えられます。
その結果、杉を使って多くの道具や食器、家や建築物が作られるようになり、生活を支えるポピュラーな木材になっていったのです。
現代でも変わらず愛され続ける杉
長い歴史の中で生活に欠かせない木材となった杉ですが、現代でもそれは変わらず、建材としても食器や家具としても私達の周りに存在しています。
モノとしての存在は数多くありますが、日本の各地域の県や自治体のシンボルとしても杉は選ばれています。
■杉を「県の木」としている都道府県
秋田県(秋田杉)
富山県(立山杉)
三重県(神宮杉)
奈良県
高知県(ヤナセスギ)
宮崎県(飫肥杉)
また、市区町村単位でも杉をシンボルとして採用している自治体は数多くあり、その数は31都道府県で、72もの自治体にのぼります。
北海道(3自治体):福島町・木古内町・乙部町
岩手県(6自治体):陸前高田市・雫石町・金ケ崎町・平泉町・住田町・山田町
宮城県(3自治体):丸森町・涌谷町・女川町
秋田県(5自治体):秋田市・大館市(秋田杉)・にかほ市(むら杉)・五城目町・東成瀬村(秋田杉)
山形県(2自治体):大江町・戸沢村(山ノ内杉)
福島県(5自治体):喜多方市(飯豊杉)・塙町・石川町・古殿町・小野町
栃木県(2自治体):鹿沼市・市貝町
群馬県(3自治体):安中市・下仁田町・南牧村
埼玉県(2自治体):飯能市(西川材)・杉戸町
千葉県(1自治体):山武市
東京都(3自治体):杉並区・青梅市・奥多摩町
新潟県(1自治体):加茂市
富山県(2自治体):砺波市・小矢部市(宮島杉)
福井県(2自治体):勝山市・池田町
山梨県(1自治体):道志村
長野県(2自治体):須坂市(クマスギ)・根羽村
岐阜県(2自治体):関市・関ケ原町
静岡県(1自治体):裾野市
愛知県(2自治体):東栄町・豊根村
三重県(2自治体):亀山市・熊野市(熊野杉)
滋賀県(1自治体):多賀町
京都府(1自治体):和束町
大阪府(1自治体):豊能町
奈良県(8自治体):桜井市・下市町・曽爾村・御杖村・黒滝村・天川村・川上村・十津川村
和歌山県(3自治体):新宮市(熊野杉)・印南町・古座川町
鳥取県(2自治体):智頭町・日野町
岡山県(2自治体):新庄村・西粟倉村
徳島県(1自治体):神山町(神山杉)
愛媛県(1自治体):久万高原町
高知県(4自治体):大豊町・土佐町・田野町(ヤナセスギ)・馬路村(ヤナセスギ)
福岡県(1自治体):篠栗町
※令和5年3月27日時点の情報です。
自分たちが住んでいる地域のシンボルとして「杉」が選ばれる意味は、杉とともに育ち、杉に囲まれて生きてきたという考えの現れでしょう。
古来から現代まで様々な形で活用されてきた杉は、現代でも愛され続けているという証拠だといえます。
杉の木材としての特徴
日本人に愛され続ける杉には、どんな特徴があるのでしょうか。
杉の木材としての特性について詳しくみていきましょう。
杉の樹木としての基本的な情報
杉は身近な樹木ですが、基本的な情報も知っておきましょう。
学名:クリプトメリア・ジャポニカ(Cryptomeria Japonica)
科名:ヒノキ科スギ亜科スギ属
名称:杉・椙(スギ)
日本の杉は常緑針葉樹でソフトウッドに分類されます。
日本の固有種であり、寿命が長く、屋久島にある縄文杉は推定樹齢が2000年から7200年とされ、幹は16メートル以上もあります。
杉の仲間は寿命が長く、セコイア、メタセコイアなどは4000年以上の樹齢の杉も存在します。
一般に樹木は樹齢に比例して、木の太さが成長する「肥大生長(ひだいせいちょう)」と木の高さが高くなる「上長生長(じょうちょうせいちょう)」の二通りの成長の方向があり、寿命が長い木ほど上長成長により樹高(木の高さ)も育ちやすいとされており、日本で最も樹高が高い木では50m以上になる杉の木もあります。
杉の物理的性質と機械的性質については以下の通りです。
物理的性質 | 気乾比重 | 0.38 |
平均収縮率 接線 | 0.25% | |
平均収縮率 放射 | 0.10% | |
熱伝導率(W/mK) | 0.087 | |
機械的性質 | 曲げヤング係数 | 7.4GPa |
曲げ強さ | 64MPa | |
圧縮強さ | 34MPa | |
せん断強さ | 5.9MPa |
この数値から読み取れることは杉は「オールマイティー」であるということです。
突出して高い数値は無いが、欠点もないという使いやすさも杉の魅力ですね。
杉は衝撃を吸収する柔軟性がある
杉は木材の中でも空気層が多く、体積あたりのすきまの割合を表す空隙率(くうげきりつ)が70%もあります。
ソフトウッドの杉は、適度な柔らかさで衝撃を吸収してくれるので、地震国である日本の建築材料に適していますし、ウッドデッキ材として使用するのであれば、歩くたびに適度にたわんで、体にかかる負担を軽減しくれます。
世界で発生するマグニチュード6以上の地震の20%が日本で発生しています。
日本国内に古くから建ち続けるいくつもの建築物は、これらの地震に負けること無く、耐えずに揺れて受け流す構造で震災を生き延びてきました。
同じ建築物、建造物である個人宅でもウッドデッキでも同じことが言えるでしょう。
杉は夏すずしく、冬あたたかい断熱保温
杉には熱を吸収する機能があります。空隙率が70%もあるため、空気の層が多く保温・保冷といった断熱保温の効果を生みます。
更に、杉は熱伝導率も0.087(W/mK)と低くコンクリートの1/12程度、この性質も断熱の役割を果たします。
杉は湿度を調整してくれる
夏すずしく、冬あたたかいという、人間にとって理想的な環境を整えてくれる杉の機能は他にもまだあります。
杉は湿度が高い時は湿気を吸収し、逆に湿度が低い時は湿気を放出するという調湿作用があり、夏の高温多湿や、冬場の乾燥を緩和してくれるのです。
杉は紫外線を吸収してくれる
紫外線は多すぎると人体に悪影響がある光です。
日焼け、シミ、しわ、皮膚がん、白内障、免疫機能の低下の原因になると言われていますが、杉はその紫外線を吸収してくれます。
杉は紫外線を吸収するので、反射光に紫外線がほとんど含まれません。
白内障:400nm以下の紫外線をほぼ反射しない
目の疲れ:400~500nmのブルーライトも吸収し反射が少ない
それどころか、人間にとって温かさを感じさせる600nm以上の光は反射してくれるのです。
杉は音を吸収してくれる
杉は空隙率が70%あり、レンジの広い周波数の音を吸収します。
すべて吸収してしまうのではなく適度に音を吸収するため、残響時間が減少して音が柔らかく聴こえるようになる効果があります。
杉はニオイを吸収してくれる
杉が発する芳香「フィトンチッド(テルペン)」は、周囲の悪臭を分解する効果があります。
タバコ臭:タバコの煙から発生するニコチンやアンモニアなどの揮発性有機化合物を分解し、タバコ臭を軽減する効果があります。
キッチン臭:料理や調理から発生する油の臭いや、ゴミ箱から発生する悪臭などを分解することができます。
ペットの臭い:ペットから発生する排泄物の臭いや、ペットの体臭などを分解する効果があります。
自動車の臭い:自動車内から発生するガソリンや排気ガスの臭いを分解することができます。
靴の臭い:靴から発生する汗や雑菌の臭いを分解する効果があります。
杉は軽い
杉材は空隙率が70%であり、木材としては軽く、その分持ち運びがしやすいです。
女性や子どもでも持ち運びしやすく、また誤って杉材を足に落としてしまった時も怪我の程度は他の木材より軽くすむでしょう。
杉は加工しやすい
杉材や木材の中では柔らかく、加工がしやすいのでDIY初心者に向いています。
木目が直線的なので癖も少なく、また木目が美しいので見栄えも良くなります。
杉材の「心材」と「辺材」の色の差がはっきりしている
杉材は、心材(しんざい)と辺材(へんざい)の色の違いがはっきりしているので見た目で判断しやすいです。
- 心材:赤褐色、樹脂が多い、水分が少ない、辺材に比べて強度と耐久性に優れる
- 辺材:白色、水分量が多い、柔らかい、心材に比べて腐敗しやすい
辺材に比べて高性能な心材は、価格もその分高価になる傾向にあります。
杉材は肌目は比較的粗い
杉材は、肌目がやや粗いとされています。
ただし、ブランド杉などでは別の評価もあり、秋田県で生産される秋田杉は高品質の木材として知られており、肌目もきめ細かく滑らかであると評価されています。
杉材はほとんどが人工造林で安定供給
日本の国土の約70%は森林で、森林の約70%が杉およびヒノキです。
つまり、日本の国土の50%近い面積に杉とヒノキが植わっているということになります。
日本の森林の約60%が天然林で,約40%が人工林ですので、この比率を当てはめると、日本の国土の約30%が天然林で、20%が人工林ということになります。
さらに、人工林の約45%が杉の樹木が占めていますので、日本の国土の約10%は杉ということになります。
現在では、国産の杉材のほとんどがこの「人工林」から伐採されて、市場に供給されています。
日本の国土の20%もの広さの人工林から供給されているため、市場に出回る量も安定しており、他の国産木材よりも比較的安価に手に入るのです。
高級木材「ブランド杉」
杉は広大な面積の人工林から安定的に供給されていますが、ブランドとして確立されている杉材も存在します。
なお、オモテスギは太平洋側の地域で採れた杉材で、ウラスギは日本海側で採れた杉材という意味です。
飫肥杉(おびすぎ)
オモテスギ系の木材で、宮崎県飫肥地方で産出されることから名付けられました。
色合いが美しく、良質な木材として高い評価を得ています。主に家具や建築材料に使用されます。
天然秋田杉(てんねんあきたすぎ)
ウラスギ系の木材で、秋田県産の杉です。
成長が遅く、肌理が細かく、色は淡い赤褐色をしています。耐久性が高く、建築材料や家具などに使用されます。
北山杉(きたやますぎ)
ウラスギ系の木材で、北海道産の杉です。
しなやかで強度があり、風合いが美しいため、建築材料や家具、生活用品などに使用されます。
立山杉(たてやますぎ)
ウラスギ系の木材で、富山県の立山連峰で育つ杉のことを指します。
きめが細かく、強度が高く、風合いが美しいので、建築材料や家具、生活用品などに使用されます。
吉野杉(よしのすぎ)
オモテスギ系の木材で、奈良県吉野山地方で産出されます。
肌理が細かく、美しい木目が特徴で、軽くて強度があります。
主に建築材料や家具、生活用品などに使用されます。
越後杉(えちごすぎ)
新潟県産の杉で、屋久島杉と同様に世界自然遺産に指定された木です。
越後地方に自生するウラスギ系の木材で、強度が高く、軽いため、建築材料や家具、生活用品などに使用されます。
屋久杉(やくすぎ)
鹿児島県の屋久島に自生するオモテスギ系の木材で、世界自然遺産に指定されています。
硬くて強度があり、木目が美しく、耐久性が高いため、主に建築材料や家具、生活用品などに使用されます。
過去には価格が高騰していたこともあったブランド杉、吉野杉の銘木では1本3000万円で取引されたこともあるようですが、現在はそこまでの価格感ではないようです。
木材はその生産地や寸法、品質などにより大きく価格がかわります。
国産杉の欠点は屋外使用での寿命
杉の多くの性能を紹介してきました。
更に国産の木材だと日本の風土にも適応しており、非常に使いやすい木材となります。
しかし、ウッドデッキなどの屋外での使用が想定されるエクステリアの場合、国産杉の木材をそのまま使うことはおすすめしません。
杉は腐りやすい木ではありませんが、屋外の風雨や日照、気温の変化などにさらされると長期間使うことはできません。
杉の性能を十分に活かすには、加圧注入による木材防腐注入加工処理された国産杉をつかうことが必須です。
ウッドデッキ用の国産杉に必須!加圧式「タナリスCY」防腐注入
屋内での使用では優れた性能を発揮する国産杉ですが、ウッドデッキのように屋外で使用する場合には、加圧式の防腐注入加工が必須です。
国産杉のウッドデッキ材に防腐注入加工処理をすることで、屋外の過酷な環境でも長期間ウッドデッキが使用できる高耐久な木材になります。
木材防腐注入加工は湿気や菌、シロアリなどの木材の弱点を補う薬液を、特殊な処理方法で木材に含浸させて、耐久性を飛躍的にアップさせる加工です。
では、木材防腐注入加工とはどんな処理なのでしょうか?
木材防腐注入加工処理は加圧式がベスト
代表的な木材防腐注入加工では、「加圧式」・「表面処理法」・「熱処理法」・「放射線処理法」の4つの処理方法がありますが、ベストな処理方法は「加圧式」です。
加圧式注入処理法は、木材を特殊な釜に入れて薬液を高圧で木材内部に浸透させる方法です。
それでは、加圧式の防腐注入加工の処理手順をみていきましょう。
■加圧式注入加工の処理手順
- 木材内部を乾燥させる
- 木材を注薬缶と呼ばれる釜に入れて、真空状態にする
- 薬剤を注薬缶に入れる
- 高圧をかけて木材のなかに薬剤を注入する
- 減圧して木材のなかの余剰な薬剤を抜く
この加圧式の木材防腐注入加工は、日本工業規格(JIS A9002)に規定されており、木材の内部にまで薬剤が含浸されるため、木材の寿命を飛躍的に高めることができるのです。
また、国産杉などの天然の木材は、水分量などのばらつきがあり性能が安定していませんが、木材防腐注入処理をすることによって、品質や性能が安定して使いやすくなるといったメリットもあります。
タナリスCYによる加圧式の木材防腐注入加工
高い信頼性のある「加圧式」の木材防腐注入加工に使われる薬剤の中にタナリスCYがあります。
タナリスCYは銅系の水溶性薬剤で、有害な重金属を含まないため、処理後の木材を焼いても有害物質が残らないという特徴があります。
高い信頼性の加圧式の処理方法で、エコな薬剤であるタナリスCYを、万能木材の国産杉に防腐・防蟻加工をすれば、国内でウッドデッキを作るのに理想的な木材が出来るでしょう。
加圧式+タナリスCY+国産杉=「mock re:(モックリー)」
「mock re:(モックリー)」では、この「理想的なウッドデッキ材」加圧式の処理方法でタナリスCY防腐注入した国産杉を販売しています。
加圧式タナリスCY防腐加工の国産杉材はこちらからご購入いただけます。
加圧式タナリスCY防腐加工の国産杉材はこちらからご購入いただけます。
創業100年以上の木材防腐注入加工メーカーが直営する「mock re:(モックリー)」では、厳選した杉材を使用した防腐加工木材を製造しています。
木材の仕入れから防腐注入木材の生産、そして商品の出荷まで「自社一貫体制」で行い、高品質・安定供給・低価格を可能にしています。
タナリスCYを始め、モクボーAACなどの防腐注入にも対応できる国内最大級の加圧式防腐注入工場には、直径約2m×長さ24.5m程の巨大な注薬缶を3つ有しており、日々、高品質な加圧式木材防腐注入加工木材を生産しています。
タナリスCY処理済みの杉ウッドデッキ材のサイズと価格
「mock re:(モックリー)」で販売しているタナリスCY処理済みの杉材の価格は部材の種類別に下記の通りです。
床材 | 2,332円(38×140×2,000mm)〜4,686円(38×140×4,000mm) |
根太材 | 1,496円(38×89×2,000mm)〜3,014円(38×89×4,000mm) |
支柱材 | 3,564円(90×90×2,000mm)〜12,672円(120×120×4,000mm) |
幕板材 | 774円(18×89×2,000mm)〜2,444円(18×140×4,000mm) |
長さは、2,000mm・3,000mm・4,000mmの3種類を用意しております。
根太材は床板を支え、フェンスを設置する場合に束柱を伸ばして使う木材が、支柱材です。
幕板は床材を囲うように張り、ウッドデッキをきれいに見せます。
杉ウッドデッキ材の配送方法と送料
ウッドデッキ材の重さは200〜500kgになり、長さや大きさがバラバラであることが多いです。
このような性質から、クロネコヤマトや佐川急便などの通常のサービスでは運送することはあまりありません。
通常、ウッドデッキ材は専門の運送便やトラック会社に依頼して輸送することが一般的です。
商品の量に関係なく、送料は数千円程度かかりますが、重い商品ほど送料が割安になります。
また、翌日配送はできず、注文から数日かかることが多く、北海道や沖縄への配送は船便で行われることもあります。
配送に関する詳細はよくある質問ページの「お届けについて」からご確認ください。
杉材を使用した施工例を紹介
杉材を使って施工した事例を個人宅のお客様事例から、公共施設までご紹介いたします。
「mock re:」の木材でDIYされた神奈川県 F様の事例
杉材の防腐木材を「mock re:(モックリー)」でご購入いただき、DIYにてウッドデッキを造作された「神奈川県F様」の事例
F様が「mock re:(モックリー)」をお選びいただいた理由
- 品数が多いこと
- 商品の価格や運賃が明快
- 見積もりの問い合わせに対する対応が迅速
公共施設 矢立ての杉のウッドデッキ(山梨県大月市)
戦勝祈願で武士が杉に矢を射立てたことから「矢立ての杉」と命名されたと言われています。
樹高が約28mの巨木をウッドデッキから間近に見ることができます。
公共施設 大鳴門橋記念館(淡路島)
淡路島南ICの近くに大鳴門橋記念館があります。
その中にスカイテラスがあり、大鳴門橋を望む方向に杉材製のウッドデッキがあります。
ウッドデッキに使う杉材を購入するなら「mock re:」にご相談ください
タナリスCY処理された杉材はウッドデッキとして10年以上の使用が可能です。
杉材は肌触りが良く、子どもをウッドデッキで遊ばせるなら杉材を選ぶのが良いでしょう。
DIYで自分の理想のウッドデッキを作りたい場合でも、家族が増えたり、成長することも考えて最初から大きめサイズのウッドデッキを専門業者に依頼したい場合でも、まずどれくらいのサイズのウッドデッキを作るのかを考えておきましょう。
ウッドデッキシミュレーターで理想のウッドデッキを
ウッドデッキはサイズによって、どれくらいの木材や部材が必要になるかが決まります。
「mock re:(モックリー)」では、サイズを入力するとどれくらいの数の部材や木材が必要になるかが簡単にシミュレーションできる「ウッドデッキシミュレーター」を公開しております。
ウッドデッキシミュレーターは会員登録なしでいますぐ試すことができます。
「mock re:(モックリー)」は販売している木材を、自社で注入加工まで一貫して行っております。
創業100年以上の木材防腐注入加工メーカーが厳選した杉材を使用し、低コストで販売しており、品揃えも豊富に取り揃えております。
杉材の商品を素材から防腐木材まで、種類もサイズも幅広く在庫しておりますので、ぜひご覧ください。
杉材以外の木材のご相談も施工についてもご相談もお承りいたします
杉の木材を使ったウッドデッキのDIYや施工依頼はもちろん、他木材のご検討や人工木、エクステリアなどについても、ぜひご相談ください。
【お電話でのお問い合わせ】052-661-2311 (電話受付時間:月曜~金曜 9:00-17:00)
【Emailでのお問い合わせ】info@mock-re.jp