聞き慣れない「セランガンバツ」は優れたウッドデッキ用木材
セランガンバツは、東南アジア原産のハードウッドです。耐久性が高く白アリの被害に遭うことがほとんどないハードウッドは、防腐剤が不要です。
ヨーロッパやオーストラリアで実績があり、日本でも長年使われてきました。
しかし、セランガンバツがウッドデッキ材に適しているか分からないという方は多いのではないでしょうか?
そこでセランガンバツの特徴とウッドデッキ材として使うメリットについて解説いたします。
駅や空港などの公共の場所だけではなく、一般家庭でもセランガンバツは使われています。ウッドデッキをどの木材にしようか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
INDEX
セランガンバツの基本と特徴を知ろう
セランガンバツは、インドネシアやマレーシア原産の木材です。フタバガキ科ショレア属の木で、セランガンバツの「バツ」は現地語で「石」を意味し、とても硬い木であることがわかります。
ハードウッドの中では供給が安定しているため、最も手に入れやすい良材です。
ここでは、セランガンバツの基本情報からウッドデッキ材としての魅力までを解説しますので、どの木材にしようか悩んでいる方は、ぜひご覧ください。
セランガンバツの基本情報を知ろう
セランガンバツの基本情報は、以下の通りです。
別名 | イエローバラウ、バンキライ |
産地 | インドネシアのボルネオ島、マレーシアのサラワク州など |
科目 | フタバガキ科の常緑広葉樹 |
色 | 黄褐色で高級感がある |
材質 | 硬く密度が高いため重厚感がある |
バツは現地の言葉で石を指し、硬くて耐久性が高い点がセランガンバツの特徴です。ヨーロッパやオーストラリアではウッドデッキ材として長らく使用されてきた実績があります。
インドネシアでは、セランガンバツの伐採を年間計画に基づき行っています。自然環境の保全となり、持続可能な経済開発を実現していると言えるでしょう。
日光に当たり続けると、黄褐色から濃褐色へと変化します。さらに時間が経過すると銀灰色に変化していきます。
セランガンバツの基本性能を他木材と比較
古くから世界中で建材などに利用されてきたスギは、優れた性質を多く持ち合わせています。
樹種 | ||||||
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セランガンバツ | スギ | ヒノキ | イタウバ | ウリン | ||
基本情報 | 名称 | セランガンバツ、 イエローバラウ、 バンキライ |
杉、椙 | 檜、桧 | イタウバ、 タブボア、 イタバイバ、 イタウーバ、 ガスカハ、 トロピカル・ウォールナット |
ウリン、 ジャイアントウッド、 マレーシアンアイアンウッド、 ビリオンウッド、 ブリネイラ |
分類 | フタバガキ科 | スギ科 スギ属 |
ヒノキ科 ヒノキ属 |
クスノキ科 | クスノキ科 | |
分布 | インドネシア、 マレーシア |
本州、 九州、 四国、 北海道函館が北限 |
福島県以南の本州、 四国、 九州 |
中南米 | インドネシア、 マレーシア |
|
心材の色 | 黄色い褐色、 黄色い赤褐色 |
赤褐色 | 淡紅色 | 深い黄色、 茶色、 橙色 |
黄褐色 | |
辺材の色 | 薄い褐色、 薄い赤褐色 |
白色 | 白色 | 明るい黄色、 明るい茶色 |
薄黄色 | |
物理的性質 | 気乾比重 | 0.94 | 0.38 | 0.44 | 0.85 | 1.04 |
平均収縮率 接線 | 0.20% | 0.25% | 0.23% | 0.33% | 0.44% | |
平均収縮率 放射 | 0.43% | 0.10% | 0.12% | 0.54% | 0.24% | |
熱伝導率(W/mK) | 0.13 | 0.087 | 0.095 | 0.13 | 0.12 | |
機械的性質 | 曲げヤング係数 | 14.2GPa | 7.4GPa | 8.8GPa | 13GPa | 10GPa |
曲げ強さ | 125MPa | 64MPa | 74MPa | 110MPa | 100MPa | |
圧縮強さ | 77MPa | 34MPa | 39MPa | 50MPa | 60MPa | |
せん断強さ | 12.8MPa | 5.9MPa | 7.4MPa | 12MPa | 12MPa |
ハードウッドに分類されるセランガンバツは、機械的性質が特に優れていますね。
そしてもう一つの特徴としては、コストパフォーマンスが良いという点があげられます。
ウッドデッキ材としての特徴
ハードウッドの中でもコストパフォーマンスに優れ耐久性が高い点が、セランガンバツの特徴です。
ハードウッドとは、硬く耐久性が高い天然木を指します。具体例としてウリン、イタウバ、サイプレス、セランガンバツなどがあります。
硬く耐久性が高いため防腐剤が必要なく、数十年はメンテナンス不要です。
原木は非常に高く成長する性質があり、20階建てのビルに相当する50〜60m程もある巨木に成長することもあります。
このため、長い木材が採れやすく広い用途に使える木材が採取しやすいのです。
木肌が粗く塗料の吸い込みが良いため、きれいに仕上がり塗膜は比較的長持ちします。
ウリンより加工しやすく、フェンスやサイディング(外壁に貼る仕上げ材)にもセランガンバツは使われています。
お手ごろな価格でありながら高品質な木材が、セランガンバツです。
セランガンバツが使われている場所は公共施設からご家庭にも!
セランガンバツの購入を迷っている方は、具体的にどの場所で使用されているのか気になるのではないでしょうか。
ここでは、実際にセランガンバツを使用している場所を紹介します。セランガンバツが気になっている方は、ぜひご覧ください。
公共・商業施設
ヨーロッパやオーストラリアでは使われていると紹介しましたが、日本でも多くの場所で使用されています。
具体的には、以下のような場所です。
- 東京駅
- 晴海トリトンスクエア
- デックス東京ビーチ
- 大阪国際空港
- 岸和田カンカンベイサイドモール など
耐久性と優れた強度があるため、多くの場所でセランガンバツは使用されています。
セランガンバツ材はハードウッドの中では原産国からの供給が安定しており、国内での在庫量も安定しています。
そのため、大量の木材を使用する大規模施設での広範囲のウッドデッキにも最適で、採用実績も多いのです。
また、原木の高さが50m程度あるため、大きいサイズの木材が取れることも大規模施設に採用される理由の一つです。
一般家庭
白アリの被害の心配が少なく、耐久性も高いので、ご家庭のウッドデッキとしてもセランガンバツは使用されています。
他のハードウッドより価格が安い点も、セランガンバツが人気の理由です。
黄褐色で落ち着いた色合いで質感が良く、フェンスとしてもセランガンバツは使えます。
また、雨の後の庭でも靴を濡らさないで歩けるウッドの床材として、枕木を土の中に埋め込んで使う用途もとてもおしゃれですね。
セランガンバツを使うメリット!メンテナンスフリーで高コスパ
セランガンバツは日本で長年使用されてきた実績があります。
セランガンバツを選ぶメリットを確認しておきましょう。
1. 実績が豊富で安心して使える
セランガンバツは日本で40年以上の販売実績があるので、安心して購入できます。
セランガンバツは、日本だけではなく欧米のホテルでも使われている木材です。
また東京駅や大阪国際空港など公共の場でも使われています。
ウッドデッキを設置するなら、実績が豊富で安心できる木材を選ぶのが良いでしょう。
2. メンテナンス不要で家計に優しい
セランガンバツは数十年の耐久性があるため、購入後にメンテナンスのコストをかける必要がほとんどない家計に優しい木材です。
セランガンバツの材質は硬いため、害虫が食べられず腐りにくい特徴があります。
数年ごとに施工を伴うメンテナンスが必要になることはありませんが、完全にメンテナンスフリーという訳ではなく、ささくれが出来やすいためサンダーで削ったり、塗装でカバーしたりするなどの対策は必要です。
3. 防腐剤不要で子どもやペットにも安心
硬く密度の高い材質であるため、シロアリやフナクイムシ虫などの木材を食料としている虫に食べられる被害はほとんどありません。
虫の被害がないため、セランガンバツは防腐剤を使わなくても自然のままで腐れの心配の少ない、長期間安心して使用できる環境や健康に優しい木材です。
4. 安定供給できるため買いやすい
資源が豊富で安定供給できるため、いつでも買いやすいことがセランガンバツを使うメリットです。
品薄で価格が高騰しているウリンやイペに比べ2割程度安く購入できるセランガンバツ材は、ウッドデッキ材としての需要が大きく伸びています。
セランガンバツを使うときの2つの注意点
優れたウッドデッキ材のセランガンバツですが、使用する際の注意点がいくつかあります。
購入してから「知らなかった」とならないようにぜひご覧ください。
1. ピンホールがある
セランガンバツには立木のときにできた小さな虫食い穴がよく見られます。
伐採後には虫がいなくなっているため、商品には小さな穴のみ残ります。
雨水が染み込むとピンホールは黒く変色しますが、時間が経つと色抜けして目立たなくなるので、心配し過ぎることはないでしょう。
2. 木肌にザラつきがある
木肌にザラつきがあり、ささくれができることがあるので、素足で歩く際にはささくれが出来ていないか気をつける必要があります。
ささくれが気になる場合は、サンドペーパーで磨けばささくれが取れて素足で安心してあるけるようになりますが、小さな子どもがいるご家庭ではスリッパを履いて歩くようにするとより安全です。
注意点として「磨き過ぎ」に気をつけてください。目の細かいサンドペーパーでツルツルに磨いてしまうと、ウッドデッキが水に濡れている状態では、とても滑りやすくなり転倒する危険があります。
本来完全に平面に作れる人工木でも、溝を作って滑り止めの効果を持たせています。木肌のザラつきは滑り止めとして役立ちますので、ささくれを無くす程度でとどめておきましょう。
セランガンバツ材を使ったウッドデッキはとっても快適!
~自然素材に囲まれて、心を落ち着かせ、癒される感覚に浸りたい~
自宅に癒やしのスペースを増設できるウッドデッキは、そんな願いを叶えてくれます。
しかし、いざウッドデッキのことを調べてみると、意外と頻繁にメンテナンスが必要だったり、また、せっかく造ったウッドデッキが数年で腐ってしまった失敗談なども目に入ってくるかもしれません。
「造ったは良いがきちんとメンテナンス出来るだろうか?」
「せっかくのウッドデッキが数年で腐ってしまうのは嫌だ」
色々と不安も出てきますが、ハードウッドの中でもコストパフォーマンスの良いセランガンバツなら、メンテナンスの手間も少なく、腐りにくい長寿命なウッドデッキが手に入ります。
セランガンバツは床材だけではなく、根太材(床を水平支える木材)や支柱材(床を垂直に支える木材)としても使用いただけるので、ウッドデッキ全体をセランガンバツで造ることも出来るでしょう。
また、水に強いだけでなく、木肌に適度なザラつきがあるので、雨で濡れても滑りにくくスロープのオプションを設置するにも最適です。
セランガンバツのウッドデッキで、ご自宅がさらに快適な空間になることでしょう。
セランガンバツの購入なら「mock re:」へご相談ください
セランガンバツはハードウッドの性能と高い経済性を両立した優れたウッドデッキ材です。
天然木材の良さは、時の流れとともに風合いの変化が楽しめることです。
サンドペーパーがけや、掃除を通じて愛着が湧いてくれば、ウッドデッキの風合いの変化も、自分や家族と一緒に成長しているように感じられることでしょう。
長く一緒に過ごすのに丁度いい、そんなウッドデッキ材がセランガンバツなのです。
創業100年を超える木材防腐加工メーカーが選び抜いた木材を低コストで販売しています。
セランガンバツの品揃えが豊富で、木材に関することは「mock re:(モックリー)」で解決できます。
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