ウッドデッキ用「防腐注入木材(防腐注入材)」の特徴や安全性、加圧注入材について

コラム

ウッドデッキ用「防腐注入木材(防腐注入材)」の特徴や安全性、加圧注入材について

屋外で木材の家具やウッドデッキを使用している方は、木材の耐久性に悩んだ経験はないでしょうか。そのような悩みを解決するために作られた商品が防腐注入木材(防腐注入材)です。

防腐注入木材は耐久性に優れており、屋外に設置する家具やウッドデッキなどに適している木材です。しかし、保存剤を注入して加工していますので、人体や自然に有害がないか気になる方も多いでしょう。

本記事では、防腐注入木材(防腐注入材)の特徴や安全性、必要性などを詳しく解説します。また、防腐注入木材と関連の深い「加圧注入材」の情報も一覧で解説しますので、ウッドデッキづくりや屋外用フェンス、木材家具のDIYを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

防腐注入木材の特徴

防腐注入木材の特徴

屋外用の木材や家具やウッドデッキなど、防腐注入木材は木材の耐久性が求められる場面で使われています。初めに、防腐注入木材の特徴や種類、加圧注入材の違いなどを解説しましょう。

防腐注入木材とは

防腐注入木材とは、木材の耐久性を向上させるために木材保存剤を内部に浸透させた木材のこと。専用の装置を用いて十分な保存剤を木材内部まで浸透させることで、保存剤に含まれる防腐効果や防蟻効果が長期間にわたって発揮されます。

防腐剤を内部まで注入するため、未施工の素材や表面のみに塗装を行った場合に比べて高い耐久性を発揮する点が特徴です。
屋外などで劣化が進みやすい環境で使用する木材には、防腐注入木材が積極的に採用されています。

防腐注入木材の種類

防腐注入木材は、性能によって複数の区分に分かれます。具体的には、次のようにJAS区分によって規格が分けられています。

性能区分 優良木質建材等認証
K1
K2 3種
K3 2種
K4 1種

表の性能区分と優良木質建材等認証は同じ品質を表すため、「K2」区分の防腐注入木材は「2種」と表記されることもあります。また、性能区分と優良木質建材等認証では、数字の優劣が逆順になっている点に注意しましょう。

加圧注入材との違い

加圧注入材は、圧力を加えながら木材に保存剤を注入する、加圧注入方法で作られた防腐注入木材のことです。つまり、「加圧注入材」と「防腐注入木材」という2種類のワードは、基本的に同じものを指している事が多いと言えるでしょう。

加圧注入は、木材に高い圧力をかけて防腐剤を注入することで、保存剤が木材の深くまで浸透する加工方法のことです。防腐効果がより効果的に発揮され、長期間にわたって木材を保護できる処理方法として知られています。

加圧処理材の安全性

防腐注入木材は保存剤を使っているため、環境へ悪影響を与えるか心配になっている方も多いかもしれません。防腐注入木材は、もともと環境や安全に配慮して開発を進めてきた背景があり、使用される保存剤も人体や環境に悪影響を与えないものが使われています。

検査によっても人体や環境に問題がないことが確認されているケースが多く、実際の安全性としては非常に高いといえるでしょう。そのため、加圧処理材の廃棄方法は、防腐注入処理をしていない木材と同様です。

防腐注入木材の耐久性

防腐注入木材には次のような耐久性があります。ただし、防腐注入木材の使い方によって耐久性が異なります。

使用場所 耐用年数
建物の構造材、内装など K2以下:5~15年
K3以上:30~60年
屋根の下地など K2以下:5~15年
K3以上:30~60年
自宅の土台など K3以上:5~60年
屋外のウッドデッキの床版など K3:5~15年
K4:30~60年
建築物や外装材など K3:5~15年
K4:30~60年
杭や支柱杭など K4:5~60年

耐用年数は基本的に高いのですが、使用場所によっては一定以上の性能がないと、本来の耐久性を発揮しない場合があります。防腐注入木材を使う際は、場所や用途に合わせた性能の防腐注入木材を使うことが大切です。

防腐注入木材が必要な理由

次に、防腐注入木材が必要な理由をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

一般的な木材の耐久性とは

一般的な木材の耐久性とは

木材を屋外などに放置すると、虫や紫外線、気候などが要因となって時間とともに劣化していきます。一般的な木材の外周部分はおよそ2〜3年で腐りやすく、建築などに使用できなくなるでしょう。

それに対して、木材の中心部分は外周部分よりも耐久性がありますが、一般的には5年程度とされています。

一方で、防腐注入木材の耐久性は、地上地際で「10年以上」と実験で証明されました。木材が劣化し耐久性を損なう大きな要因として「腐朽菌」と「シロアリ」等が挙げられますが、防腐注入木材を使用することで、これらの被害を未然に防ぐ事が可能です。

なお、実験では断面が3cm×3cmの小試験体を使用しているため、耐久年数が必ずしも10年というわけではありません。あくまで参考程度に留めてください。

続いて、主な木材の劣化要因についても知っておきましょう。

劣化要因①:腐朽菌

腐朽菌とは木材を腐らせる菌のことで、腐朽菌が繁殖することで木材が腐りやすくなり、建物や家具の強度が低下します。腐朽菌は次の条件が揃うと、さまざまな場所で発生します。

  • 栄養(木材)
  • 温度
  • 水(湿度)
  • 空気

劣化要因②:シロアリ被害

シロアリは、木材に含まれるセルロースを栄養源にしている虫です。シロアリが住宅などの木材を食べると穴が空くため、食べる部分が増えるほど木材の耐久性が損なわれ、倒壊などを引き起こすリスクが上がります。

また、シロアリは柔らかい木材を好むため、腐朽菌によって木材が腐ると、それがさらなるシロアリ被害につながる場合もあるため要注意です。

防腐注入木材には、シロアリが嫌う成分が含まれているため、建物などをシロアリから守るためには防腐注入木材の使用が必須と言っても過言ではありません。

防腐注入木材が優れているポイント

防腐注入木材には、耐久性の高さ以外にも優れているポイントがあります。

  • 維持管理費を節約できる
  • 人にも環境にも優しい
  • 二酸化炭素の削減につながる

維持管理費を節約できる

維持管理費を節約できる

耐久性に優れた防腐注入木材を使用した住宅や設備は、建物の寿命が長くなるため、維持費や管理費などの維持管理費を節約できるでしょう。防腐注入木材は一般の木材よりも初期コストが高い傾向にありますが、長期的に見ると経済的によいと考えられます。

建設・維持コストを気にする方は、防腐注入木材を積極的に使用しましょう。

人にも環境にも優しい

人にも環境にも優しい

木材は土に還る性質がある分、廃棄方法が多様ですので、コンクリートといった素材に比べると環境に優しい材料です。また、防腐注入木材は焼却時や焼却灰に有害性が極めて少なく、建設時から廃棄までのすべての過程で安心して使用できるでしょう。

二酸化炭素の削減につながる

二酸化炭素の削減につながる

防腐処理によって木材の耐用年数が伸びることで、地球全体での二酸化炭素増加にブレーキをかける効果も期待できます。

樹木には二酸化炭素を吸収する働きがあり、吸収した二酸化炭素は廃棄されるまで樹木の内部に留まるのです。木材の使用期間が長ければ長いほど、全体から見た樹木の総量が大きくなり、結果として二酸化炭素の総量増加を抑えられるとされています。

防腐注入木材(防腐注入材)で長寿命のウッドデッキを作ろう!

防腐注入木材(防腐注入材)は、木材の内部に保存剤を注入することで耐久性を高めた木材です。保存剤が深く浸透する加圧注入剤は特に耐久性が優れているため、屋外で使用するウッドデッキや木材家具と相性が良く、見た目と機能面の低下を長時間防ぐでしょう。

劣化しにくいウッドデッキを作りたい方は、積極的に防腐注入木材を利用してください。

mock re:(モックリー)では、防腐注入木材のバリエーションが豊富に揃っており、お客さまの希望の色や樹木に合わせて選べます。自宅や庭の雰囲気に合わせたウッドデッキを手軽に作れるので、これからウッドデッキを作りたい方は、ぜひ一度mock re:へご相談ください。