木材防腐処理とは?特に屋外使用には必須の加工!
天然の木材をふんだんに使用したウッドデッキなどは、木の風合いが感じられて憧れますよね。
ところが対策を何もしないと、天然の木材は風雨にさらされて劣化が激しくなってしまいます。
- 木材の防腐処理って必要なの?
- 木材の防腐処理のメリットや注意点は?
- どんな処理方法があるの?
- 防腐処理で使われる防腐剤は安全なの?
このような疑問をお持ちではないでしょうか。
木材を長持ちさせるためには、木材の防腐処理が必要です。防腐処理すると耐久性があがります。
以下の記事では木材防腐処理についての概要やメリット・注意点などを解説しています。
ウッドデッキなどを大切に長くお使いいただくためにも、ぜひお読みください。
INDEX
木材防腐処理とはどんな処理?基本を知る
木材防腐処理とは、木材が腐らないように薬剤を使用して処理する方法のことです。
木材は、雨水などの湿気や紫外線などのような外部からの影響により腐っていきます。
特に木の外側部分の「辺材(へんざい)」は、樹種による差がなく屋外では2年~3年程度で腐ってしまいます。
高耐久といわれている樹種でも、一般に木材は木の中心部分の「心材(しんざい)」と「辺材」が混在しているものがほとんどですので、どんな樹種でも木材の防腐処理は必要なのです。
木材防腐処理は、これらの影響を最小限に抑えることで、木材を長持ちさせることができます。
それでは、木材防腐処理のメリットについてご説明します。
木材防腐処理のメリット
では、木材に防腐処理するとどのようなメリットがあるのでしょうか。
■耐久性があがる
スギやヒノキなどは耐久性がある木材とされていますが、そのまま何も処理しないままだと、自然の過酷な環境の中で劣化します。防腐処理をすることで湿気や菌に強い木材になり、耐久性があがることが実験で実証されています。
■性能が安定する
天然の木材は、水分量や素材のばらつきがあり、性能が安定していません。木材には耐久性がある中心部の心材と、その外側の辺材とがあります。市場に流通している木材は心材と辺材が混在しています。木材防腐処理をすることによって、品質・性能が安定して使いやすくなります。
木材防腐処理のデメリット
やはり木材防腐処理にもデメリットはあり、防腐処理をしてない木材より費用が高くなります。木材防腐処理の手間や設備、薬剤を使用がかかる分、価格があがるのです。
しかし、耐久性にすぐれているため長持ちしますので、初期費用はかかりますが、頻繁に張り替えるコストを考えると、トータル的にはコストパフォーマンスは高いといえます。
木材防腐処理の基本「防腐注入」の必要性
ここでは、木材防腐処理の方法、防腐注入のメリットなどについて解説します。
防腐処理方法の種類
木材の防腐処理にはさまざまな方法があります。
薬剤での防腐処理方法の一覧をみてみましょう。
- 薬剤を加圧注入する方法
- 薬剤を浸漬(しんせき)する方法
- 薬剤を塗布(とふ)する方法
- 薬剤を吹付ける方法
- 薬剤を拡散する方法
- 薬剤を温冷浴する方法
- 薬剤を減圧する方法
その中でも薬剤を加圧注入する方法が、最も信頼性のある木材防腐処理です。
■防腐注入(加圧注入)による木材防腐処理
加圧注入とは、工場で特殊な機械を使用して、圧力をかけて薬剤を木材に浸透させる方法です。
- 木材内部を乾燥させる
- 木材を注薬缶と呼ばれる釜に入れて、真空状態にする
- 薬剤を注薬缶に入れる
- 高圧をかけて木材のなかに薬剤を注入する
- 減圧して木材のなかの余剰な薬剤を抜く
このような工程を経て木材を取り出し、乾燥させます。
表面に塗布するよりも、圧力をかけることで木材内部に薬剤が染み込むのです。
防腐効果の面では浸潤度が大きく、ムラも少ない有効な方法であり、また短時間で木材防腐処理ができるので能率面でも優れています。
■薬剤を浸漬する方法による木材防腐処理
処理ムラが少なく、大量に木材防腐処理ができる方法ですが、その分大量の薬液を必要とする為、コスト面や環境面で負担が大きい方法です。
■塗布加工による木材防腐処理
塗布加工とは、木材を乾燥させて、薬剤の入った槽に浸します。浸すことで木材の表面に薬剤を塗布する方法です。
■薬剤を吹付ける方法による木材防腐処理
大掛かりな設備や、特殊で高価な機材を必要としません。広い面積を比較的簡単に木材防腐処理できますが、薬液の無駄が多く、コスト面、環境面での負荷が大きい方法です。
■薬剤を拡散する方法による木材防腐処理
大掛かりな設備や、特殊で高価な機材を必要としません。比較的簡単に浸潤度の高い木材防腐処理できますが長時間の作業が必要となる上、水溶性薬剤しか使用できない方法です。
■薬剤を温冷浴する方法による木材防腐処理
大掛かりな設備や、特殊で高価な機材を必要としません。含水率の影響をあまり受けずに、薬剤を高吸収量で処理できます。比較的簡単な木材防腐方法ですが、長時間の作業が必要となる方法です。
■薬剤を減圧する方法による木材防腐処理
薬剤の注入量を調整できるので辺材の木材防腐処理に適していますが、大掛かりな設備や、特殊で高価な機材が必要となります。そのため、現場での処理ができず、未乾燥の木材には使用できません。
■DIYによる塗布加工
DIYによる塗布加工とは、自分で木材の表面に防腐剤を塗布する方法です。
防腐剤は「屋内用」と「屋外用」が販売されています。ウッドデッキなど屋外で使用するものであれば、「屋外用」を選んでください。
そのなかでも「浸透タイプ」と「造膜タイプ」があるので、用途に応じて使い分けましょう。
塗料を購入して自分で加工することもできます。
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防腐注入のメリット
いろいろな防腐処理方法があるなかでも、加圧式の防腐注入の防腐注入にはメリットがあります。
- 表面処理よりも効果的
- 汎用性が高い
加圧式の保存処理木材は、日本工業規格(JIS A9002)に規定された方法で処理された木材です。
木材の内部に保存剤が含浸されるため、表面に塗布する処理よりも木材の内部まで防腐処理が施され、耐久性が高まります。塗布するよりも、薬剤の量を多く使用することになり、木材の寿命を飛躍的に向上させることができます。
加圧式の防腐注入加工は、木材の厚みや形状によらず、防腐加工を施すことができます。
また、加圧式の防腐注入加工された木材は、倉庫で保管している木材の保管コストも下げられるというメリットもあります。
この様に優れた特徴のある加圧式の防腐注入処理は、木材の防腐・防虫・防蟻の性能を向上させて、耐久性を飛躍的に上げることが出来ます。
そのため「mock re:(モックリー)」の防腐加工製品も、すべて加圧式の防腐注入木材を取り扱っております。
防腐注入の薬剤の安全性
加圧式の防腐注入により、効果が高まることはおわかりいただけましたか。
ここで薬剤の安全性について気になる方もいらっしゃるかもしれません。
防腐注入に使われる薬剤の一つに、タナリスCYがあります。
タナリスCYは銅系の水溶性薬剤であり、主成分は無機の銅化合物と低毒性のシプロコナゾールです。有害な重金属を含んでないので、木材を焼いても灰の中に有害物が残ることはありません。
安全性が確保されているため、住まいの土台・柱・梁などの住宅用資材やウッドデッキやガーデニングなどのエクステリア分野・産業用など幅広く使用されています。
ですので、安心して木材をお使いになってください。
杉赤身の木材防腐処理は「加圧式」の防腐注入がベスト
杉赤身とは、杉の木材の中でも赤身を帯びたものを指します。
杉は日本全土に広く分布する常緑針葉樹です。強くて腐りにくく、まっすぐに上に伸びるのが特徴です。また軽くて加工しやすく、日本国内で最もよく使われる木材です。
杉は赤身と白身とにわかれますので、杉についてご説明します。
杉赤身とは
杉赤身は木の芯に近い部分で、色が濃くその名の通り、赤身を帯びています。心材とも言われます。
成長が終わっている部分なので、水分を吸収しません。そのため、一旦乾燥すると水に強い特徴があります。さらに、虫やカビから身を守る成分が貯えられているために、防虫や防カビに最適です。
昔から神社やお寺などの建築に利用されてきました。水に強いので、脱衣所・キッチンなどの水周りや外壁などの使用に適しています。
杉白身とは
杉白身は杉赤身の外側の部分で、色が薄い部分で、白太、辺材とも言います。
杉白身は日々成長しているので、水分量も多い性質があります。水分を含みやすいので調湿機能に優れていて、寝室やリビングの床などに使うと、肌触りがさらりと気持ちがよいです。
杉赤身だから大丈夫?いいえ。加圧式木材防腐処理が必須です
杉は高耐久で、更に赤身(芯材)であれば木材防腐処理は不要と考える方もいるようです。
しかし、杉赤身であっても防腐注入処理は必要です。
杉赤身はもともと耐久性に優れていますが、防腐注入処理をすることによって、さらに耐久性が増します。
特に、屋外での使用、ウッドデッキやテラスの木材として使用する場合には木材防腐処理は必須です。
経済産業省の所管団体である「日本木材防腐工業組合」の実験データによると、屋外の使用では木材防腐処理をしない杉赤身の耐用年数は「4年」程度。
一方「加圧式」の木材防腐処理を行った杉赤身では耐用年数は「10年」以上と、耐久年数を2.5倍以上に伸ばすことが出来ることが証明されています。
数あるインターネットショップでは、木材防腐処理していない杉赤身の「素材」を屋外で長期間使用される木製のデッキなどに販売されているケースもありますが、上記の通り「4年」程度でリフォーム、または作り直しする羽目になることは、実験データからも明らかです。
このように、高い信頼性のある「加圧式」の木材防腐処理は、杉赤身であっても必須なのです。
木材防腐処理を行った木材は屋外でも使用できます
防腐処理を行った木材は、屋外でも使用可能です。
木材防腐処理は、木材をシロアリやカビの被害から守り、腐りにくくする処理方法です。
屋外では、水や風、紫外線などの影響が強く、木材が劣化しやすいのです。
しかし、木材防腐処理を行った木材は、これらの影響を最小限に抑えられます。そのため、屋外でも安心して木材を使用できます。
防腐処理を行った木材の例
防腐処理を行った木材を活用している例は多いです。
- 商業・産業用
- 公共施設・屋外施設
- 家庭用
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ただし、木材防腐処理にも注意点があります。
木材防腐処理は木材を永久に腐らせないものではありません。木材は天然素材ですので、時間の経過とともに劣化していきます。
自然からの恵みである木材を、大切に長く使うために木材防腐処理は重要なのです。
屋外で木材を使用する場合の対策
木材を長時間屋外で使用する場合は、以下のような対策をとりましょう。
■定期的な塗装や張り替えをする
屋根や屋外家具は常に風雨・紫外線など自然環境の厳しい条件にさらされています。永久に使用できるものではないので、定期的な塗装をしたり、サイディングなどは張り替えしたりすることが必要です。
あとで後悔しないように、早めに点検をして手間を惜しまずにお手入れをしましょう。
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■製品の使用説明書などに従う
木材によって耐久性や特徴が違います。正しい使い方をしないと製品を長く使えない恐れがあります。使い方の説明書をよく読むのが大切です。
木材防腐処理した木材でウッドデッキをつくろう
木材は何も処理しないままですと、特に屋外の過酷な環境の中だと劣化が進みやすくなります。
ウッドデッキを作る際には、以下のような対策が必要です。
腐りにくい木材を選ぶ
木材の水抜き性が高く、耐久性がある木材を選ぶのが有効です。例えば、樫や桧などがあげられます。
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保護剤を塗布する
防腐処理済みの木材を選ぶこともよいのですが、その上に保護剤を塗布することで、さらに耐久性が高くなります。また、DIYで切断した面に保護剤を塗布すると腐りにくくなります。その場合にも定期的に保護剤を塗りなおすことが重要です。
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「mock re:」の加圧式の防腐注入加工済みの商品は品質第一のものづくりの結晶
木材に防腐注入処理を行うことによって、防腐・防虫効果があがるので、耐久性がグッと増します。防腐注入した木材は、屋外での水や風・紫外線などの影響を最小限に抑えることができます。
特に、加圧防腐処理がなされている木材では、長期間の屋外での使用にも耐えうる防腐性能があり、ウッドデッキの材料には最適です。
ここまで木材防腐処理についてご説明してきました。
木材は自然からの恵み。原始の時代から現代まで使われ続けてきた木材を、人類は人工的に作る事はできません。
そして、木材として育てるのには何十年という月日がかかりますから、せっかくの木材を長く大切に使う為に、木材防腐加工された木材を選んで長持ちさせたいものですよね。
「mock re:(モックリー)」を運営する大日本木材防腐株式会社は、長い歴史のなかで培ってきた防腐加工技術とノウハウを活かした「品質第一」のものづくりをしています。
愛知県名古屋市に国内最大級の加圧式の防腐注入工場を有しており、加圧式の防腐注入加工済の木材を自社工場で製造しております。
木材の仕入れから木材防腐処理、加工から施工まで、一貫して行える木材のプロフェッショナルです。
木材の事なら木材のプロフェッショナル「mock re:(モックリー)」へぜひご相談ください。
【お電話でのお問い合わせ】052-661-2311 (電話受付時間:月曜~金曜 9:00-17:00)
【Emailでのお問い合わせ】info@mock-re.jp