丸太杭を使うシーンを解説|ウッドデッキ造作に必要なケースを紹介
丸太杭(まるたくい)とは、杉や松でできた片方の先端が尖った円柱型の木材を指します。丸太に「先付け加工」と言われる先を尖らせる加工により、杭として使用できるようにする加工されたもののことです。
木杭の歴史は古く、鎌倉時代から使われてきたといわれています。
現在では土木工事で使用されるだけではなく、花壇を作るためにも使われており用途は様々です。
しかし、丸太杭の使い方が分からないとお悩みの方はいるのではないでしょうか?
そこでこの記事では、素材の特徴や丸太杭を使うシーンについて解説します。
コロナ禍以降、自宅で過ごす時間が増えガーデニングをする人が増加していますので、ガーデニングを始めようと考えている方も、ぜひ参考にしてみてください。
INDEX
丸太杭を使用するシーンは工事だけでなくガーデニングにも
丸太杭は、杉や松でできた木材を土に埋め込んで使います。
丸太杭の主な用途は、土木工事や建設現場、ガーデニングに使われることが多いです。
それぞれどんな使い方をするのか詳しくみていきましょう。
土木工事・建設現場
丸太杭は、建設工事のため土留めや地中基礎杭として使われています。
軟弱な地盤を強化でき、建物が沈むのを防ぐために丸太杭は効果的です。
木は大気中の二酸化炭素を吸収するため、地中に木材を打設すると地球温暖化を止める手立てとなるカーボンストック効果が期待されており、間伐材を使って製造されることもあるので森林資源の有効活用という点でも優れています。
また、建設工事で丸太杭を使うメリットとしても、地盤に影響を与えることが少なく低コストでできるという点も高評価です。
用途も汎用性が高く、施工現場や資材の一時保管場所への立ち入り進入防止柵としても丸太杭は活躍します。
建設現場で解体した家や工場を囲うために使うケースもあります。
ガーデニング
ご自宅で花壇を作るために丸太杭を使用します。
土留めにもなり、丸太杭をつなぎ合わせればプランターとしても利用できます。
プライベートを守りたい方は、目隠しのため丸太杭を使ってフェンスを作るのも良いでしょう。
丸太杭を使ってご自宅をさらに快適な空間にしてみるのはいかがでしょうか。
公園
丸太杭は公園でも様々な用途に使用されています。
例えば、木柵や柵の支柱、歩道の両脇に柵として設置されていることも多々あります。
また、基礎改良や土留めなどの目的で使用されることもあります。
植物園
植物園でも公園と同様に木柵として丸太杭を利用されることが多いですが、別の用途として丸太杭は植物の支柱として使用されることがあります。
特に、高い植物や重い実をつける植物には、支柱が必要となる場合があり、このような場合には丸太杭が支柱として使用されるケースがあります。
丸太杭を並べて囲むことで、ナチュラルな花壇や植栽スペースを作る場合もあります。
牧場
丸太杭は牧場の広大な敷地の木柵にも使われています。
板状の柵では牛や馬などの動物の体が当たると倒れてしまうことがありますので、円柱状の丸太杭が木柵に最適です。
木柵の他にも、フィードバンカーやウォータートラフなど飼育している動物の餌や水を与える施設や、納屋などの保管施設の一部に丸太杭が利用されることがあります。
丸太杭に使われる木材は杉と松が多い
丸太杭に使われる木材は、主に松と杉です。それぞれの特徴についてみていきましょう。
丸太杭に使用される主要な木材(杉と松)の性能比較
樹種 | |||
スギ | マツ | ||
基本情報 | 名称 | 杉、椙 | 松 |
分類 | スギ科スギ属 | マツ科マツ属 | |
分布 | 本州、九州、四国、北海道函館が北限 | 北海道、東北、北陸、関東、中部、近畿、中国、四国、九州など | |
心材の色 | 赤褐色 | 赤褐色から黄褐色がかった色調 | |
辺材の色 | 白色 | 白色 | |
物理的性質 | 気乾比重 | 0.38 | 0.53 |
平均収縮率 接線 | 0.25% | 0.16% | |
平均収縮率 放射 | 0.10% | 0.29% | |
熱伝導率(W/mK) | 0.087 | 0.12 | |
機械的性質 | 曲げヤング係数 | 7.4GPa | 11GPa |
曲げ強さ | 64MPa | 100MPa | |
圧縮強さ | 34MPa | 50MPa | |
せん断強さ | 5.9MPa | 6.0MPa |
土木工事・建設現場には松(マツ)や加圧注入処理を施した杉(スギ)
土木工事・建設現場の丸太杭によく使われる樹種である松には、主な特徴に以下のようなものがあります。
- 岩地や砂地でも育つ
- 比重が高く強度がある
- 松ヤニが防腐の役目になる
- 粘り強く折れにくい
- 縁起が良い植物とされる
- 経年すると変色し高級感がアップする
松は赤道直下から北極圏まで北半球に多く分布し、日本各地にも数多くの地域でみることができます。
また松は神様が降りてくる木と言われ、縁起が良い植物の代表格の一つで、性質としては粘り強く折れにくい特徴があるため、建築・土木工事で使われてきました。
また松は虫がつかず腐ることがなく、耐久力に優れ100年保つと言われています。
コンクリートも耐久力に優れていますが、丸太杭の方が安価です。
そのため地中に埋めて建物を支えるためには丸太杭を使うケースが多いのです。
一方で、近年の加圧注入処理技術の発展と普及により、木材防腐処理をした杉材などが丸太杭として使用されることが多くなってきています。
加圧注入処理による木材防腐処理が行われた杉材では、木質構造体の寿命を飛躍的に向上させることができる為、いままでの松材に代わる形で土木や建設の現場で使用されるようになってきているのです。
ガーデニングには杉(スギ)
杉の主な特徴には、以下のようなものがあります。
- 日本固有の種で全国各地に生育する
- 軽く柔らかい
- 耐久性に優れ、加工しやすい
- 断熱性が良く、肌触りが良い
- 調湿作用がありカビに強い
- 耐水性に優れている
杉は日本各地に自生していたため、昔から建築材として利用されてきました。奈良の法隆寺などの歴史的な建造物にも杉は使われています。
杉は調湿作用があり汚染物質を吸収して空気を浄化するため、花の生育に役立つといわれており、造園やガーデンのエクステリアの土台などにも選びたい素材です。
また、長持ちして加工もしやすいので、ガーデニングで丸太杭を使うなら杉は最適解の一つです。
ただし、処理を施さないと数年で朽ちてしまったり白アリの被害に合ったりするため、防腐・防蟻剤を塗布、塗装した木材を使用するか、ベストなのは木材防腐加工がされている丸太杭を使用することです。
それでは、丸太杭に使われる木材の防腐加工とはどんなものなのでしょうか?
丸太杭に使われる主な防腐加工は3種類
丸太杭に使われる防腐加工には、以下のような加工方法があります。
- タナリスCY(加圧式)
- モクボーAAC(加圧式)
- クレオトップ塗布加工(塗布式)
それぞれの特徴を詳しく解説しますので、丸太杭を購入するときの参考にしてみてください。
タナリスCY(加圧式)
銅を主成分としヒ素などの有害物質を含まないため燃やしても灰に残留しないことが、タナリスCYの特徴です。
タナリスCYは水溶性の防腐剤です。
木材に加圧して注入することで薬液を深く浸透させます。
防腐処理した木材の色は、緑色になるため、見た目で無処理材との識別が可能です。
タナリスCYは耐久性に優れ、白アリを寄せ付けない効果があります。
モクボーAAC(加圧式)
ヤシ油のココナッツを原料とした天然素材で重金属を含まないことが、モクボーAACの特徴です。
使用されてから20年以上の実績があり、高い耐久性は証明されています。
モクボーAACは、タナリスCYと同じ加圧注入する薬剤です。
タナリスCYと違い薬剤が無色であることから、加工後も素材の木の色と変わらない仕上がりになります。
タナリスCYと同様に白アリにも効果を発揮します。
クレオトップ塗布加工(塗布式)
タナリスCYとモクボーAACは木材内に防腐剤を注入しますが、クレオトップは表面に油性の薬剤を塗布することで屋外で使われる木材の耐久性を向上させます。
仕上がり後の見た目は茶色に着色され、クレオコートのような強烈な臭いも有りません。
クレオトップ塗布加工は、カビや白アリから木材を守るのに効果的な処理法です。
クレオトップ塗布加工の丸太杭の商品一覧はこちらからご覧ください。
工事現場だけじゃない!ウッドデッキを作る際に丸太杭が必要になるケースも
ウッドデッキの材質にはひのきや杉などの天然木と人工木材があります。
人工木材には樹脂で作られた「樹脂木材」や樹脂と木材を混合して作られた「再生木材」などの種類があります。
自然の樹木ではなく、人が使いやすいように人工的に作られているので長寿命でメンテナンスも天然木よりも手間がかかりません。
このようなメリットがある為、ウッドデッキに人工木材を選ぶ人もいますし、素材の風合いに魅力を感じ、天然木材を選ぶ方もいることでしょう。
ウッドデッキ自体には丸太杭を使用することはあまりありませんが、フェンスや階段などに使うケースがありますので、これからウッドデッキを設置する方はぜひ参考にしてみてください。
新築を建てるにときにウッドデッキを作る場合
新居の購入を予定している方は、ウッドデッキが付いている物件を選ぶのが良いでしょう。
メンテナンスの手軽さから人工木材を使っているケースが目立ちます。
しかしハウスメーカーや工務店の中には、ひのきや杉など天然木を使ったウッドデッキを提供している企業があります。
子どもを遊ばせたり家族でくつろいだりするなど天然素材に触れたい本物志向の方は、肌触りの良い天然木を選ぶのが良いでしょう。
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後から庭にウッドデッキを作る場合
今のご自宅にウッドデッキを設置したい方は、どんなものを作りたいのか目的を決めることが大切です。
友人と楽しい時間を過ごすために使うのか、洗濯物を干すために使用するのかなど利用シーンを家族で話しあってから作っていくと失敗しにくいと言えます。
目的が決まれば必要な材料や道具を揃え、作業に取り掛かりましょう。
ご近所の目が気になる方は丸太杭を使ってフェンスを作ってみてはいかがでしょうか。
また、ウッドデッキと地面との間に距離がある場合には階段が必要となります。この階段にも丸太杭が使用できる場合があります。
DIYでウッドデッキを作ろう!必要な道具・材料や作業工程を解説
ウッドデッキを設置した後のことを考える
ウッドデッキは雨ざらしになるため、防腐処理した木材を使わないと時間とともに傷んできます。
また白アリの被害を想定しておくことも大切です。
設置してから防腐剤を塗布するのはとても大変です。
価格の面で差はありますが、長期間使用できることを考えると、加圧式の防腐注入処理した木材を購入することでトータルコストは下げられるでしょう。
ウッドデッキのメンテナンス方法!日常のお手入れから年1の塗装まで
広い用途の「丸太杭」購入は「mock re:」へご相談ください!
丸太杭は杉や松を加工し、土木工事やガーデニングで利用されています。
丸太杭を使えばオシャレな花壇ができ、ご自身の生活を豊かにするでしょう。
丸太杭を購入するなら「mock re:(モックリー)」へご相談ください!
創業100年以上の木材防腐加工メーカーが運営しているため、厳選された国内の国産木材を使用した高品質な商品を、中間マージンなどのコストをカットした価格で販売しています。
品揃えが豊富で木材に関することは全て賄えます。
丸太杭以外の疑問もぜひお問い合わせください
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丸太杭に関すること以外でも、木材防腐や板材、会社での大量発注など、どんなことでもお気軽にご相談ください!
- 1本や5本、10本の単位でそれぞれ長さが違う丸太杭を注文したいんだけど…
- 樹木用の木製の杭や棒を探しているが検索しても見つからないので提案してほしい
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